寄進者芳名簿仁王像胎内へ封入

 さる九月一日、京都、 美術院で解体修理中の仁王像(阿形像)の完工間近く、記念行事奉賛会、寺総代のみなさんの立会いのもと、御寄進いただいた方々の芳名簿を桐箱に収めて封入いたしました。直近の修理は三百年前(正徳二年)のことであります。次回この桐箱が開かれるのは何時のことになりましょうか。
  つづいて吽形像の修復が始まります。どうか御尊名を当の仁王像にも残 していただきますように、お願いいたします。


 「阿形仁王像帰る」
仁王さん 仁王さん  いかめしい顔 鋭い眼差(まなざし)
逞まがしい筋骨 盛り上った肩  禍々しいもの寄せつけず
青葉颪(おろし)に舞う粉雪(こゆき)
つもる深(み)雪も ものともせずに
立ったまんまの 八百年
装い新たな館に住んで
渝(かわ)ることない威神力
御守護をお願い申します



仁王像に封をする美術院・八坂技師


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